足のお悩みコラム 足の健康と靴に関するお役立ち情報!!

第33回

FUN+WALKとパンプス

パンプスの語源

FUN+WALK STYLEの女性はスーツにパンプスです。「クッション性のあるパンプスなら、見た目はフォーマルでも歩きやすさが全然ちがう」が、うたい文句です。でも、クッション性のあるパンプスって、何処で買えるのでしょう。 パンプスの語源には諸説紛々がありますが、ニューヨークの消防士が緊急出動の時、素早く履けて、紐を結ばずに済む履き口が大きく開いた靴を履いたのが始まりです。いなせな火消しの若者ポンプマンにあこがれた、若い女性達がこれをまねたので、広く女性に広まりました。このポンプマン・シューズがなまって、パンプスになったと言う説が気に入っています

パンプスの語源

パンプスはファッションの最先端

パンプスはフォーマルなどころかファッションの最先端を行っていた訳ですが、現在では履き口が趾の付け根の近くまで大きく開いた靴を指しています。この大きく開いた履き口のお陰で、足の甲と下腿が一体化して、脚が長くスマートに見えるのです。ですから、最近は違ってきましたが、足は足、下腿は下腿と区切られて見えてしまう、ストラップや飾りは付けず、靴下も履かないのが原則でした。従って、つま先と踵の覆いだけで靴が脱げないようにするためには、靴底を硬くして剛性を上げ、踏み返しで履き口がゆがんで広がる事がないようにしなければなりません。一方で、靴底が硬くなり踏み返しで曲がらなくすると、踵がすっぽ抜けてしまいます。

パンプスはファッションの最先端

剛性とクッション性を併せ持つのは至難の業

一口にクッション性のあるパンプスと言いますが、足を細くすっきりスマートに見せるのが命のパンプスの底に、剛性とクッション性を併せ持たせるのは至難の業です。クッション性には柔らかい素材が必要ですが、靴底に剛性を持たせようとすれば、厚底靴のような厚みが必要になり、足を細くスマートに見せる役割からはかけ離れてしまいます。表底やシャンクで剛性を稼ぎ、中底や中物を厚くして、外観のスマートさを保ったままクッション性を得ようと努力したこともありますが、釣り込みで表底が湾曲してしまい、上手く行きませんでした。 現時点で手に入るクッション性があり、足を細くスマートに見せてくれるパンプスは無いとまで言っても過言ではありません。その上、多くの女性が、一歩一歩歩くごとに、履き口が笑い、踵がすぽすぽ抜けてしまう様なパンプスを、平気で履いているのですから、若い間はおしゃれを優先し、足の痛いのは我慢してしまうのが簡単かもしれません。 ファッションや美しさの基準が変わる駆、魔術師のようなデザイナーが現れるのを持つしかありません。

井口 傑(いのくち すぐる)

井口 傑(いのくち すぐる)

日本靴医学会、日本足の外科学会 名誉会員
昭和45年:慶應義塾大学医学部卒業、整形外科医
平成11年:第13回日本靴医学会会長、第24回日本足の外科学会会長
平成11年:第20回国際足の外科学会副会長
平成20年まで:慶應義塾大学医学部総合医科学研究センター・整形外科 教授
平成23年まで:日本靴医学会 理事長、日本足の外科学会 理事

研究分野:足の外科、外反母趾
主な著書:外反母趾を防ぐ・治す(講談社)、足のクリニック(南江堂)
主なテレビ出演:今日の健康(NHK2002/7/8、2006/3/1)、世界一受けたい授業
(日本テレビ2007/8/25)など

リンク先はこちらです
https://www.dr-inokuchi.com/

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